| ■越前大野編…２００１年１１月
今年最後の
「大野」行き。
「最後？ あやしい〜」なんて声も聞かれるが、今は１１月上旬。
今月末には大野に初雪が降る。
東海北陸自動車道を使い、油坂、九頭竜湖経由で大野へ行く私。
とても雪の季節に山越えをする度胸はない。
泉村を抜け、
勝原スキー場を過ぎたあたりから、ワクワクしてくる。
「大野の里の風景」が見られる一番好きなポイントがもうすぐだから。
車を走らせながら山を下りていくと、
右手に少しずつ、緑の里が視界に入ってくる。
運転しながらなので、じっくり眺めることはできないけれども、
その「緑」「家」「川」「山」、
断片的に見えていた風景が、一瞬、ひとつの「絵画」になる。
その瞬間が好きだ。
今回の目的を
ひとつずつ片付けて、夜は大野の街で飲む。
「岐阜からわざわざ飲みに来た」なんて、私も周りもまったく思わない。
それが普通だし（笑）。
翌日は朝から
「あっ宝んど」という健康保養施設へ一人で行く。
今、流行りの「スーパー銭湯」的な感覚で利用する私。
大きな湯船に浸かり、ふと外を見る。
露天風呂。
「天気もいいし、外へ出てみるか」
夜の露天風呂には入ったことがあるが、明るいうちからなんてない、かも。
露天風呂に浸かりながら空を見上げる。
雲ひとつない青空。
夏の「青」とは違う、不思議な「青」。
遠くには紅葉で彩られた山が見え、右から左へ鳥が飛んでいく。
視線を下へ向けると、黄色い蝶がゆらゆら。
もう一度空を見上げる。
「泣きたくなるような青い空」なんてコピーが昔あったかな…。
でも今日は全然「泣きたくない」な（笑）。
黒谷観音へ行
き、前を見ながら参道を上っていく。
ここの苔の「緑」が不思議な感覚にさせる。
夏の「緑」は鮮やかだったが、今日の「緑」は少しくすんだ緑。
お地蔵さんたちにご挨拶して、本堂にお参り。
尼僧の白純さんにもご挨拶してから、「わんこ」にも…。
まるで映画「もののけ姫」にも出てくるようなすごく大きな白い犬。
私を見るといきなり「お腹」を見せる（笑）。
（歓迎してくれて、ありがとう）
帰りは「勝原
検問所」に車を停めて、「大野の里の風景」を見下ろした。
遠く連なる山々。
今は”秋色”。
目の前の山も鮮やかな”秋色”。
そして眼下には、川、赤い橋、田んぼ、家…
私にとっての「ムーミン谷」。
（ちょっと違うかな？）
今年はこれで最後、と思うと少し感傷的に…。
さあ行こう。
「のんびり」過ごした大野の街に背を向けて、
「大忙し（フルチャージ）」の私の居場所へ――。
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